第10回を迎えた「ドキュメンタリーフォトフェスティバル宮崎」は、写真表現の多様性 を学ぶとともに、現代社会の抱える課題について考える機会を持って来ました。今回 の会場「みやざきアートセンター」は、宮崎市街地の中心部に開館したばかりで、宮崎 市民の文化の拠点と期待されているアートセンターです。その記念すべき会場で 「ドキュメンタリーフォトフェスティバル宮崎」を開催できることは光栄なことと存じ ます。これもひとえにたくさんの方々のご支援とご協力のお陰とお礼申し上げます。
私たちは2000年から今回までに、日本国内外から優れた写真家28名に来ていただき ドキュメンタリー写真を展示し、講演会と交流会を行ってきました。 お陰様で、回を重ねる毎に参加者も増え、ドキュメンタリー写真への親しみと理解が 深まっていると感じています。
さて今年は、アメリカでオバマ政権が成立し日本では鳩山政権が発足いたしまし た。まさに激変の時代を迎えようとしています。国連では核廃絶法案が採択され、核な き世界の実現へ歴史的な一歩を踏み出しました。 今回、私たちの呼びかけに応じてくださった本橋成一氏の作品「ナジュージダ・希 望」(チェルノブイリ3部作)は、23年前に史上最悪となった、旧ソビエト連邦ウクライナ 共和国で起きた原発事故の被害に遭った村の人々を取材したものです。もう一人の ゲストであるコピール・ホセイン氏の作品「River&Life」は、水の国バングラデシュの 川に生きる人々を取材しています。 写真展の他に、音楽グループ「日向ぼっこ」にオリジナル曲の演奏をしていただきま す。まさに写真と音楽の対話のステージです。 写真や音楽を通して、人が生きることの意味や人間の素晴らしさを思い起こしてい ただけたら幸いです。
最後になりましたが、写真を提供してくださり、多用な中を宮崎まで来てくださっ た本橋成一さんとコピール・ホセインさんに御礼申し上げます。呼びかけ人としてご 協力をいただいてまいりました写真家の皆様をはじめ、毎回、写真作品に合わせて作 曲し演奏してくださる「日向ぼっこ」のお二人、協賛各社、後援各機関、それに私たちの 開催趣旨に賛同していただいたMフォト会員の皆様に深く感謝申し上げます。
2009年10月17日
「ドキュメンタリー フォトフェスティバル宮崎」実行委員会
代表 塩田幸代