戟後70年を終えた2016年、それでも多くの問題が私たちが住む社会に起こっています。7月にはバングラデ シュの首都ダッカでテロがあり、日本の方々も亡くなられました。悔しさに心が痛みました。 今回の写真展は招待写真家を広河隆一氏にお願いしましたが、それは広河氏が1960年後半からのイスラエ ルに始まり、現在まで日本だけではなく世界各国で紛争やチェルノブイリ原発事故を取材され、多くの機会 に発表された内容が、素晴らしいと感じたからです。特に、広河氏が中心となって2004年4月に再発行された 「DAYSJAPAN」は、私たちに多くの現実を教えてくれます。掲載された写真や文章には、私たちが身近に見 ることの出来ない状況が表現され、色々なことを考えさせられました。 また、広河氏は、写真家としてだけではなく、チェルノブイリ原発事故後、3年後に現地を取材された後、被 爆による甲状腺がん治療後の子どもたちのために保養施設を建設され、今までに多くの子どもたちが安らぎ の時間を過ごしています。広河氏のその思いは、東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故後、沖縄県 石垣島に福島の子どもたちのために「NPO法人沖縄・球美の里」を建設され、多くの子どもたちが有意義な時 間を過ごしています。 このように、広河隆一氏は報道写真家としてだけではなく、そこに関係する多くのことに心を向けられ、多 くの方々の協力を得られ活動されています。今回の写真展では、広河氏の多面に渡る活動を感じていただけ ましたら幸いです。
「ドキュメンタリー フォトフェスティバル宮崎」実行委員会
事務局長 永友啓一郎